外国人向け歌舞伎公演リポート
6月19日(金)に開催された外国人向けの歌舞伎公演「壺坂霊験記」で、アミットが台本、ナレーションの翻訳とナレーション吹き込み、 当日の同時通訳の手配など、外国語の部分をお手伝いさせていただきました。当日、現場に立ち会い、通訳ブースから舞台も観劇させていただきましたので、その模様を簡単にリポートいたします!
開演前の国立劇場周辺は、さまざまな国籍の方々で大にぎわい。2階席まである会場内は、ほぼ満席で、みなさんとてもリアクションがよく大盛況でした。国立劇場で外国人の向けに歌舞伎公演を行うのは初の試みだったようで、 NHK国際放送局の方々も取材にいらしてました。
今回の公演は大きく分けて3部で構成されています。
1)歌舞伎解説コーナー (45分同時通訳)
2)演目「壷坂霊験記」 (1時間 ※解説ナレーション収録済み)
3)カーテンコール (10分同通)
「歌舞伎解説コーナー」では、床の一部が高くなったり、「動く歩道」のように床が動く舞台装置を実際に動かしてくれたり、また、舞台上で役者さんが女形の化粧を実演したり、女形の基本動作を見せてくれたりと、 歌舞伎座初心者にとってとても興味深い内容でした。私自身、きれいな女性に変身した役者さんが、ふつうのおじさんのような声で質問に答えている様子が特にハマりました。(笑) 基本的には台本がありますが、進行役の春香さんは途中でアドリブを入れていたようです。でも、弊社から派遣した中国語、韓国語の通訳者は、お二方ともよどみなく同時通訳をされ、ご担当者の方からお褒めの言葉を頂きました。
演目「壷坂霊験記」は出演者、夫婦役2名のみという、とてもシンプルでわかりやすいハッピーエンドストーリー。歌舞伎はまじめでお堅い印象があったのですが、この演目では隋所に笑える場面があり、オーバーアクション気味の演技に三味線や太鼓の音がマッチしていて、とても迫力がありました。ただ、役者のせりふだけで内容を理解するのは少し難しかったと思いますが、日本語版のイヤホンガイドを貸していただいたおかげで、歌舞伎初心者の私でも十分楽しめました。おそらく外国人の方も同じように感じたのではないかと思います。
普段は社内にいることが多く、翻訳はもとより、自分が手配した通訳の現場に立ち会わせていただくことも少ないのですが、本日は、弊社の翻訳物や通訳者さんたちが活躍されている様子を目の当たりにすることができ、とても有意義で貴重な経験となりました。
最後に、今回同時通訳をご担当いただいた毛燕さん(中国語)、厳栄伊さん(韓国語)とイヤホンガイドご担当者の上床さんと永田さんと一緒に撮影した写真でしめくくらせていただきます。